DOLPOの天空駆ける

 

 はじめに 

 ムスタンか、ロールワリン辺りで、何処か静かで面白いところはないかと探していたところ、カトマンズではドルポが話題にあがっていると、情報が入ってきた。早速地図を広げ、計画立案が始まった。

2011年に行く予定だったが、東日本大地震で1年延期。やっとのことで、準備も整いタイ国際航空でネパールに向けて出発することが出来た。
カトマンズからネパールガンジ、そしてジュパールと国内線を乗り継ぎ、いよいよドルポトレッキングのはじまりだ。今回の目標は、She Shikar登山、アッパードルポ一周、 

河口慧海 - Wikipediaの足跡を追って、チベットの国境の峠に立つ。この三つを掲げての45日間のスタートだ。

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Dolpo 概念図 

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ジュパール~フォックスンド湖 

ベースキャンプへ向けて

6月13日(晴)
 ジュパール~チェプカ
バルブンコーラ(川)と別れスリガートを遡る。すぐチェックポストがあるが、問題なくパスする事が出来た。

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埃っぽい道が続く。途中、無人の放牧用カルカやバッティ(茶店)があり、2~3回上り下りを繰り返し、スリガート本流に下降すると、今日の泊り場チェプカに到着。

6月14日

 昨日の脱水症状の反省から、2Lの湯冷ましを準備する。樹林帯は快適。ワラビ、ヨモギ等、日本の沢沿いの道のようだ。今は、渇水期で、川沿いの石畳の道を歩く事が出来る。一度高巻きの後、右岸に渡るとRechiで、バッティがあり、昼食とする。

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 左岸に渡り返し、大きな支流が合流。石畳の道を少し進むと、Sandwaに到着。ここは、フォクスンドコーラとプグマコーラが二股になっている。左カグマラ、右フォクスンド湖の指導標があった。対岸に渡った所にキャンプ。夕方、近くの軍キャンプから、3人が訪ねてきた。ヤチャクンブ(冬虫夏草)を取る人たちがこの上流にいて、その安全を図るため、この時期だけ駐留しているとのことだ。

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 6月15日(晴)

いきなりの急登から始まる。すぐ上が軍のキャンプだった。挨拶して、プグマコーラを遡っていく。

 畑が現れると、プンモの部落だった。今回初めてのボン教ゴンパがある。

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家のあいだを縫うように登り、部落の一番上で休憩とする。十数件の家があるが、人の気配はあまり感じない。ここから二週間は、食料の入手が出来ないので、何とかジャガイモを分けてもらった。

 プンモからは、麦やジャガイモの畑が途切れとぎれに続き、Khyaruという部落に至った。ここは数件の家があり、対岸まで畑が耕されている。

 1時ちょうどにDajaに到着。ナウレコーラが左岸に合流している、気持ちの良い草地だ。明日は、この先のプンプンコーラの上流に向かうのだが、ナウレコーラ右岸の尾根を高巻いて入って行くことになる。テントを設営している間に、尾根の取付きまで偵察してくる。カグマラ方面は、本流を橋で渡って上流に向かっている。少し手前で、かすかな踏み跡が尾根に向かっていたので、明日はこのトレースをたどってみようと思う。高度も3600mを越え、夕方はかなり冷えてきた感じだ。

 

 6月16日(晴)

 今日は高度順化のため、BC往復だ。昨日見ておいた通り、ナウレコーラを渡ったてすぐの急な登りに取り付いた。岳樺の間の踏み跡は、日本の山のようだ。200m登った台地には、右手からも踏み跡が付いていた。

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 左下にプンプンコーラの流れを見るようになると、上部が開けてきて、右上は、カンジェラルワの雪の斜面が迫ってくる。この山は、日本隊が初登頂しているが、それ以外この地域に入った記録は見ていない。

 広々とした斜面を横切っていくと、尾根の曲がり角にチョルテンがあり、初めてシェシカールの姿を見る事が出来た。カンジェラルワの山腹から流れ出た、沢が合流するあたりは、ヤチャクンブを採集する人たちのキャンプ地となっている。この上に3つの池があり、今日は第二の池までとする。高度も上がってきて、体が少し重い感じだ。帰りは台地から左へ新しい踏み跡を下降した。

 

 6月17日(晴れのち曇)
 今日はベースキャンプを建設する日だ。7:45出発する。昨日下山で使ったトレースを登ることにする。急な登りにひと汗かいて、3600mの大地で休んでいると、カッチャル隊(荷揚げのロバ隊)が鼻の穴を膨らませながら、ほこりを巻き上げて登ってきた。素晴らしい馬力に感心する。
 対岸の急な斜面をロバが移動している。プンプン谷の右岸上部にも、テントが張ってある。皆、ヤチャクンブ(冬虫夏草)を取る人たちだ。ガラ場の上など、時折落石が起こったりして、命がけである。後で聞いた話によると、毎年、何件かの死亡事故も起こっているとの事だ。樹林帯を抜け、トラバース気味に登っていくと、左下に川の流れが見えてくる。

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 ガラガラの斜面を越えると、2件のカルカが建っている。谷筋を歩くようになると、左岸より沢が流入し、一大ヤチャクンブキャンプだ。バッティがあり、結構な商売となっているようだ。谷筋は開け、目指すシェーシカールも視界に捉えることができる。思ったより雪の付き方が少ない。一番目のチョナクパ タル(池)で昼食タイムにした。我々のカッチャル隊が追い越していった。

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  二番目の池は、チョカルボ タル。右側に踏み跡が付いている。高度も上がってきたので、なるべくビスタリ(ゆっくり)で行く。草地からモレーンを越すと第三の池だ。名前はついていない。池の右手に広がった草地を(4250m)BCと決めた。キャンプを建設していると、上部から何人かの人が降りてきた。何人か子供もまじっている。
 ロバ隊は、Dajaあたりへ下って、29日に戻ってくることに決まった。夕方、出発が遅れていた、サーダーのマンさんが登ってきた。これで全員が揃ったわけだ。

 6月18日(曇り時々晴、夕方雨)
 昨日までと違い、曇り空の朝となった。ここへ来て天候が思わしくなって来た。今日は休養日だが、これから先の不安材料となる。

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 少し天気が回復してきたので、シェルパが上部のルート確認に行く事になった。
 BCでは時々日が差すものの、上部の稜線は、雲に覆われてしまっている。
 15:30雨がぽつぽつと落ちてくる中、シェルパたちが戻ってきた。プンプン ラ(峠)から先は、岩尾根で落石ひどく、ルート工作の支点が取れないという。明日全員で上に行って、ルートを探すことにした。

 

 BC滞在記

 6月19日(曇時々雨)
 朝今にも降り出しそうな空模様の中、安全祈念のプジャをとり行う。祭壇で、針葉樹の葉を燻し、米と小麦粉を混ぜたものを、三回に分けて振りかける。
 ともかく、サーダー、シェルパと共にハイキャンプ予定地まで行ってみる。8:00出発。
正面の2段になったモレーンを越え、草付帯を右寄りに登っていく。昨日までの天気とうって変わり、上空は雲で覆われ、雨が降り出してきた。視界の悪い中、一つ尾根を超すと上はカール状に広がっているのがわかる。谷に向かってガラガラの斜面をトラバースすると、少し開けた所に出た。キャンプ地にはなりそうだが、ここから先のルートが問題である。

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プンプン ラへは雪渓とガレが続いているが、その先の岩稜が無理なようだ。左にルンゼが上がっているが、滝の部分は、落石が集中して危険すぎる。雲で視界が遮られているが、山頂へのルートは見出すことは出来ない。雪が付いていれば違ってくるのだが。
 暗い気分でBCに戻った。ヤチャクンブ取りの親父さんがいて、自慢そうに4本も見せてくれる。生えている状態は、きのこの先だけが地上に出ているだけで、全く我々が見つける事は不可能だ。

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  夜のミーティングでシェーシカールは断念。ロバ隊が上がってくるまでの間に、BCの上の雪の付いた山に目標を設定し、行動計画を立て直す。

 

6月20日~6月27日
 連日曇りか雨。時々晴という天気で全くすっきりしない。士気も上がってこないのだが、ともかくアイスフォールの下の台地に、テントを上げた。
 アイスフォールの途中までフィックスロープを張り、6月25日少し晴れ間が出たので、上を目指してみるが、再びガスが降りてきて、5400mの高度で、下山となった。

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   6月27日

   ロバ隊待ちで完全休養日となる。午前中天気が持ちそうなので、左岸側の一段上にある、チョカルブ タルまで一人行ってみることにした。シェルパのビバスが一緒に行く事になり、第二の池を降りた下あたりから、左の急斜面に取り付く。シェルパと二人なので早いペースで登っていくが、こちらはかなり必至の状況。尾根を越すと眼下には、第四の池と、気持ちよい草原が広がっていた。ヤクが2~3頭のんびりと歩いている。全く人の気配がない、別天地だった。 左へトラバースしていくと、先日HC往復で使った斜面の左端に出た。
 午後雨が強く降り始めてきたので、テントでのんびりしていると、一日早くガラン、ガランとベルを鳴らしながら、ロバ隊が上がってきた。明日はBC撤収し、アッパードルパトレッキングの始まりだ。

 

 Ringmoへ向けて


6月28日(晴)
 朝テントから顔を出すと、雲一つない快晴。BCへ来て一番の良い天気だ。
  7:40カッチャル隊に先行して下山を開始する。名残尽きない、源流域の景色を振り返りつつ、池の脇の道を下山する。

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第一の池を過ぎ、地元キャンプでは、テントの数が減ったようだ。その代わりこの何日かで、咲いている花の数がかなり増えている。花の写真を撮ったりしながら、二軒のカルカに到着する。ここでシェーシカールや、プンプンコーラの源流域ともお別れだ。

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 ダジャで昼食をとり、左岸沿いをひたすら歩く。プンモまで思ったより長かった。BCでの活動が、予想以上に疲労として溜っている。

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軍キャンプに無事降りて来たことを伝え、いよいよフォックスンドコーラを上流にと向かう。左岸に渡ると学校や、アムチーホスピタルがある今日のキャンプ地だった。ちょうど学校の終わったころか、小学生くらいの子供たちが、4~50人も集まってしまった。

 6月29日(晴)
 今日はいよいよリンモでフオクスンド湖と対面できる。左右両岸に道はあるが、より近い左のルートを取る。学校の脇で橋を渡り、しばらくは平たんな道だが、その先は、600mの急登が待っていた。3000mを越えていても、日差しが強く汗が噴き出す登りだ。眼下には、畑が広がり、対岸にはドゥータラップに続く谷が、分岐している。

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 道幅が広がり、やっとリンモの集落に到着する。家の間を縫うようにして、湖のほとりに出た。ここが今日のキャンプ地。目の前のフォックスンド湖は、ポスター通り、いやそれ以上の素晴らしい青い色をしていた。近くのバッティでビールを購入。500Rsだった。
 今日は、カシ(食用やぎ)が手に入ったので、キッチンたちは大忙しだ。 

6月30日(晴)

 昨日までの疲労回復と、これからのこれからのスケジュール調整のため、今日は停滞日である。のんびり起床し、まずは洗髪と、洗濯。心身ともにさっぱりとなる。

 20分ほど離れた、ボン教のゴンパ(Tsova Gumba)の見学に行った。新旧2棟建っていて、新しい方は、築5年ほどの様である。新しい方の本尊は、ブッダトンバシェンラップ。旧は千手観音が、祭ってあった。

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 寺の僧が、日本から寺院修復のため、技術者が来る事になっているが、いまだ連絡がないと言っていた。派遣する母体も不明だし、調べるすべはなさそうだ。

 昼過ぎに、サルダンからドゥーへ行くというドイツ人3人がやって来て、隣にテントを立てた。

 夕方には、シェルパ達と村へ行き、ロキシーを味わった。

  Shey Gumbaへ 

  7月1日(曇のち晴)

まずは、フォックスンド湖右岸の、岩をくりぬいて作った道から登り始める。出だしは、ロバに荷物を付けると、岩角に引っ掛けるので、広い場所までは人力で運ぶ。

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 リンモから見ていて、急登は覚悟の上だったが、峠までは岩を削ったような道が続き、汗が止まらない。峠のタルチョーが見える頃、上からロバのキャラバン隊が降りて来た。ビジョールから二日でやってきたと言っているが、信じられない様な早さである。狭い道でやっとすれ違うと、その上で待望の峠に到着する。この先は、緩やかな下りとなり、上流のフォックスンドコーラの河原に出る事が出来た。広かった河原も少しづつ沢の形となり、いくつかの支流を渡った先が、今日のキャンプ地だった。

 衛星電話がつながり、エージェントの事務所に連絡が付いた。しばらくぶりなので、まずは一安心。夕方ノルウエー籍ドイツ人女性が、ポーターと到着する。この先は、ビジョールからララ湖に向かうと話していた。

 7月2日(曇一時晴)

夜中の雨もやみ、少しづつ青空が広がってくる。しばらく沢沿いを歩いて、二股の手前にキャンプサイトがある。右股のツクキャクサコーラを、木橋で渡りツクキャクサコーラのゴルジュを高巻くよう、左の尾根をひたすら高度を上げる。本流上部の左には、シェーシカールが見えるはずだが、雲に覆われ見ることは出来ない。

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ドイツ人女性のグループと前後しながら、ひたすら上を目指した。高巻きを終わって河原に降りた所がキャンプサイトだった。         

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 7月3日(晴一時雨)

 夜中の雨は、激しくテントをたたいていた。朝起きてみると、青空も少し見え始めている。今日は5000mを越えて峠を通過する日だ。しばらくは沢沿いだが、やがていくつかのモレーンを越していくと、ゴルジュを巻いて、上の草原状の河原に出た。

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この先で沢はいくつかに枝分かれしていた。左上のほうに放牧に来ているらしい人影が見えたが、ルートはもう一つはっきりとしない。地図で慎重にルートを確認する。

 右寄りの沢に入り、ガラガラの斜面を登っていくと、何となく踏み跡がはっきりとしてきた。もうすぐ峠に出そうな道の岩陰になんとブルーポピーが咲いていた。どこかでお目にかかれるとは思っていたが、初対面は感激だった。

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 7月4日(曇一時晴、夜雨)

 今日は、クリスタルマウンテンを周回して、シェーゴンパまでの予定だ。朝方まで降っていた雨は、朝食の頃には何とか上がってくれた。シェルパ2名が我々と同行し、あとのスタッフは荷物と一緒に、シェーゴンパに直行する。

 しばらく沢に沿って下降していくと、タルチョーがはためく周回コースの入り口だ。家族らしい集団がいて、マニ車を回している家長らしい人の話では、昨日も、今日も巡礼しているとの事である。足元から崩れそうな、ガラ場を上へ、上へと登る事3時間。とうげでは、タルチョーが風になびき、いくつもの仏が安置されていた。

 

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 峠を越えると緩やかな斜面で、クリスタルマウンテンを右手にして、時計回りに踏み跡が続いている。しばらくは緩やかなアップダウンとなっており、岩陰には、ブルーポピーが数株咲いていた。

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峠を2つ越すころ、雨がぽつぽつと落ちてきた。ムスタンから来たという男の人が追いついてきた。やはり土地の人は強い。あっという間に後ろ姿が遠ざかってしまった。

 最後の岩山の斜面をトラバース気味に登りきると、マニ塚があり、道は左の尾根に沿ってついているが、眼下にはシェーゴンパの建物などが見えている。直接下降できる道を探している所に、羊飼いの親子3人が通りかかった。雨で身体も冷えてきたところなのでたすかる。どろんこの道を、しばらくは親子3人と一緒に下降する。親子は、途中のテントに向かい、我々はひたすらシェーゴンパに向けて泥道と格闘する。シェーゴンパの建物がだんだん大きくなり、バッティや、ヤク放牧のテントも見えてきた。橋を渡った台地の上にテントがあった。何とか、暗くなるまでに到着する事が出来た。

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  今年は12年に一度のシェーのお祭りの年だ。あとひと月ほどたつとこの辺りは、巡礼者のテントで埋め尽くされてしまう事だろう。今は直前の静けさが支配している。お祭りも見たい気がするが、そのエネルギーに圧倒される事だろう。

 

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